50代からの積立投資におけるポイント2つ ~ NISA・特定口座の使い分けとバリュー平均法

こんにちは。リモ太郎です。

リモ太郎
リモ太郎

昨年50歳を迎え、60歳での社会人引退とそりの後の資産形成に向けて、今年から本格的に投資信託や高配当株ETFへの積立投資を始めました。

最初は、どの銘柄をNISAの非課税枠で買って、どれを特定口座で買うかで悩みました。結論としてはインデックス投資信託への投資にNISAを使い、残りのNISA枠と特定口座でETFを買うという方針にしました。この記事の前半は、NISAと特定口座をどのように使い分けたらいいのか、ぼくなりの判断基準についてご紹介したいと思います。

また後半では、積立投資のオーソドックスな手法の1つである「バリュー平均法」について、メリットやデメリットをご紹介したいと思います。最もメジャーな積立投資の手法である「ドルコスト平均法」との比較もしています。ぼくの場合は、ドルコスト平均法を基本とつつ、一部バリュー平均法のいいところを取り入れるという、ハイブリッド作戦をとることにしました。最後にご紹介させていただきます。

こんな方向けの記事です
  • 複数銘柄への積立投資を考えているが、NISAなどの非課税枠をどの投資に優先的に使うべきかで悩んでいらっしゃる方
  • 積立投資の期間が長くとれない状況で、ドルコスト平均法だけで積立終了時に目標通りに資産が積みあがるかどうかで不安を感じる方

NISAと特定口座をどうやって使い分けるか

NISAやつみたてNISAなどの非課税口座の上限金額を超える積立投資をする場合、非課税枠を最優先に使って残りは課税口座で積立をすることが基本となります。ここで疑問は、どの銘柄の投資に優先的に非課税枠を使うのがいいのでしょうか

現時点でのぼくの積立方針はざっくりと以下のとおりです。

  • インデックス連動の投資信託・ETFに12万円/月(うち3万円はかみさんのつみたてNISA分)
  • 米国高配当株ETFに14万円/月

ぼくの場合、積立期間はあと10年弱しか取れないため、複利の効果も大きくは得られない状況です。しかし老後資金を作るというのが目的のため、一番大事なのは目標金額に達することです。したがってリスクが高い一括投資や個別株には手を出さず、インデックス連動の投資信託やETFを中心に運用する方針としています。(投資・運用方針は以下の記事に詳細を書いています)

ちなみに非課税枠としては、つみたてNISAではなく、一般NISAを選択しています。50歳~60歳の10年間という限られた投資期間であるということと、ETFを買えるのは一般NISAのみというのが主な理由です。

さてここで、インデックス投資信託・ETFと高配当株ETFのどちらにNISAの非課税枠を使ったらいいのかという疑問が沸いてきます。選択肢としては大きく2つありますね。

  1. インデックス投資信託・ETFをNISA(非課税)で、高配当ETFを特定口座(課税)で運用
  2. NISA枠を高配当ETF投資で埋め、高配当ETFの残りとインデックス投資を特定口座で運用

ぼくは1.を選択しました。その理由は

  • インデックス投資信託の積立は、運用益を最大化することを目的としており、かつ60歳の退職時点で売却する予定 ⇒売却時に大きな節税効果が得られる!
  • 高配当ETFの積立は、配当利回りを最大化することを目的としており、60歳以降も売却せずに保有し続け終身配当を得てゆく予定 ⇒売却しない限り税金は繰り延べられるので節税効果はない

だからです。逆に高配当ETFをNISAで購入すれば、配当金(分配金)にかかる税金も控除されます。配当がでないインデックス投資信託に比べて、配当が出るたびにダイレクトに節税効果を実感できるメリットはあります。

チェック

米国株式の配当課税については、NISAで運用していても米国内でかかる税金(10%)は源泉徴収されます。NISAで非課税となるのは、米国源泉徴収後の配当金に対して日本でかかるはずの税金(約20%)分となります。

しかしながら、配当金の最大の目的は10年後に退職した後の年金としてなので、その時にはいずれにしても非課税期間が終わって課税口座で運用する必要があるはずです。また現時点では配当金は積みあがっていないのでそこまで節税効果は大きくないです。よって、より高い運用リターンがあり売却時の大きな節税効果を見込めるインデックス投資信託にNISAを利用する方がベターと考えました。

一般的には、非課税枠で運用すべき投資の優先度としては、次のことがいえると思います。

  1. 運用益(キャピタルゲイン)が最も高いと思われる投資に非課税枠を優先的に使うべき
  2. 高配当株投資など将来のインカムゲインを目的とする投資には非課税枠のメリットは限定的
  3. 短期売買による利益獲得を目的とした個別株投資などには非課税枠は不適

人それぞれ考え方や投資の環境が違うので、いちがいにどれをNISAにしてどれを特定口座で運用すべきかは言えません。あまり深く考えずにシンプルに非課税枠のメリットを使いきることだけ考る、という選択肢もありと言えばありですね。結局のところNISAは5年だけで、その後は課税枠に移すことになりますし、それに税金が大きいということはそれだけ利益が出ているということですから。例え高い税金を払うことになっても、それだけ運用は順調だったという解釈もできます。どの銘柄であれNISA枠とフル活用していさえすれば、そんなに大きな差は出ないのかもしれません。

ただし、上記3.の短期売買をするためにNISAを使うのはもったいなさすぎると思います💦

短期間での積立投資で目標金額に達するのかという不安

次に、50歳になって初めて本格的に老後のための資産形成をしようとなった時、積立期間が10年くらいしか取れないことは結構大きなハンデになるかと思っています。10年だと複利効果もそんなに大きく出ないということもあるのですが、それ以上に不安を感じることは、おそらく老後資産として必要となる目標金額に届かないということもあり得るということではないでしょうか。

例えば、米国S&P500の過去の年平均利回りは10%程度と言われています。もし25年とか30年とか長期間に渡って積立投資ができるのであれば、最終的な利回りはこの数字の近くに落ち着く可能性が高くなります。過去を振り返ってみると、どの年から投資を始めても、25年間の最終的な平均利回りは、最低でも6%、最大で17%の間に収まっています。もし若いころから積立投資を始めていたら、毎月決まった金額を機械的に積み立てあとは景気が良くなっても悪くなってもほったらかし続けるだけで、最低でも年利6%の複利効果で大きな資産形成ができたでしょう。これはいわゆるドルコスト平均法という積立投資の手法ですが、極めてシンプルな上に効果も高い方法なので、多くの方が実践されています。(もちろん、将来については100%過去と同様うまくいくとは限りませんが)

ところが、投資期間が10年程度となると、ここまでうまくはいきません。先ほどの過去のS&P500の例では、10年間の積立による年平均利回りは▲1.4%~+20.1%の間に収まります。25年間に比べると、下にも上にもばらつきは大きくなっているのが分かります。何と10年程度だと最終的にはマイナスになることも起きるんです!

これは、積立投資で老後の生活資金を作ろうとするぼくらにとっては大問題です。下手をすると、当初想定していた目標積立額よりも数百万円足りないということが起こるかもしれません。もしXXショック級の長い景気後退局面が今後10年以内に来たら、数千万円くらい失うこともあるかもしれません。そうなったら老後いきいき計画も一瞬にして吹き飛んでしまいます・・

この問題をどうにかしようとすることに焦点を当てた積立投資の方法が「バリュー平均法」です。バリュー平均法では、確実に最終目標額に到達するように、毎月の投資金額を調整しながら積み立てていくということが特徴です。

ドルコスト平均法と比べるとややマイナーな手法ですが、以下バリュー平均法の特徴(メリット、デメリット)をご紹介した上で、ぼくの積立の方針にどうやって取り込んでいるのかをご紹介したいと思います。

バリュー平均法とは

バリュー平均法とは、積立投資による最終的な目標金額を確実に達成することが最大のゴールであり、積立資産総額の時価(=バリュー)に応じてその月の投資金額を決めていくという方式です。

バリュー平均法を使った積立の流れを具体的数字を使った例で説明したいと思います。

  1. まずは最終的な積立金額のゴールを「10年後1,200万円」に設定します。
  2. 次に目標金額を達成するために必要となる毎月の投資額と目標積立額を計算します。10年で1,200万円なので、毎月の投資額は10万円です。1月目の目標積立額は10万円、2月目の目標積立額は20万円(以下続く・・)といった具合ですね。
    注)この例では、計算をシンプルにするため期待利回りをゼロにしています。実際は期待利回りを3%とか5%とかに設定して計算する必要がありますが、考え方は同じです。
  3. 最初の月は、上で算出した毎月の投資額である10万円を投資します。
  4. 次の月は、先月までの投資分(10万円)の評価額が8万円まで下がってしまいました。この場合、2カ月目の目標積立額は20万円なので、20万円-8万円=12万円をこの月に投資します。
  5. その翌月は、先月までの投資分(20万円)の評価額が26万円まで上がりました。3カ月目の目標積立額30万円-評価額26万円=4万円がこの月の投資額となります。
  6. その翌月、先月までの投資分(30万円)の評価額が45万円に爆上がりしました。4カ月目の目標積立額40万円-評価額45万円=▲5万です。この場合、この月は投資する代わりに5万円分の資産を売却します。

以上を簡単に表にまとめてみました。

1カ月目2カ月目3カ月目4カ月目
月初資産残高0100,000200,000300,000
評価額(時価)
(A)
080,000260,000450,000
目標積立額
(B)
100,000200,000300,000400,000
当月積立額
(B)-(A)
100,000120,00040,000▲50,000
(売却)

イメージは伝わりましたでしょうか。上の表でお分かりのとおり、毎月の目標積立額と実際の積立額は一致します。毎月目標額どおりに積み立てていくことにより、最終的な目標積立額に必ず到達させる、というのがバリュー平均法の要となります。

バリュー平均法のメリット

メリット

① (投資ルールさえ守り続けられるなら)最終的には必ず目標金額に到達できる

②時価が安い時には多く買い、高い時は買わないので、平均取得単価が下がる

③毎月市場をチェックして投資額を決めるので、投資の感覚が身に着けられる(楽しい

メリットは、大きくは上の3つです。それぞれ、ドルコスト平均法と比べてみます。

メリット①は、上の例で述べたとおりです。毎月の資産評価額と目標額を比較した上でその月の投資額が決まるため、必ず毎月目標どおりの金額が積みあがります。自分の想定以上に早く目標に到達した!とか、全然目標に達しなかったということがありません(逆にこれはデメリットでもありますね・・)。ドルコスト平均法だと、毎月の投資額はそれまでの資産評価額に関わらず常に一定ですね。

メリット②は、相場が悪く資産評価額が下がったら目標に到達するまでより多くの金額を投資する必要があります。つまり、単価が低い時により多くの口数を買うことになるため、結果的に平均取得単価を下げることができます。逆に評価額が高い月には投資金額は少なくすることで、高値で買ってしまうことを防ぐことができます。ドルコスト平均法の場合は、一定金額のもとで安値ではより多くの口数を買うことができるのは同じですが、より多くの金額を投資するバリュー平均法に比べるとメリットは少なくなります。

メリット③は、バリュー投資をするなら毎月の運用状況は必ずチェックする必要があります。それによって投資をしているという実感や、相場の良し悪しの感覚が得られます。何より目標に向かっていっているというモチベーションを得られやすくなり、投資が楽しくなりますね。一方ドルコスト平均法では運用状況のチェックは必ずしも必要ありません。基本はほったらかし、淡々と積み上げていくのみです。

バリュー平均法のデメリット

メリットだけを見ると何だかすごく良さそうに思えますが、バリュー平均法も万能というわけにはいきません(そうだったなら誰もが採用しますよね)。デメリットも存在します。

デメリット

①資産評価額が大きく下がった月の積立資金が莫大になる

②毎月運用成績をチェックして積立額を変えるため、とても手間がかかる

③相場の下落時の大量の資金投入や、逆に相場上昇時の資産売却をすることへの心理的抵抗

何といってもデメリット①が一番大きな問題です。例えばこのようなことが想定されます。先ほどのバリュー平均法の運用事例で、仮に5年目までは順調に続けてきて、6年目に大幅な下落局面にあたってしまったとしたら(具体的には毎月10%の資産価値下落が3カ月続いたとしたら)、積立額は次のようになります。

6年目
1月
6年目
2月
6年目
3月
月初資産残高6,000,0006,100,0006,200,000
評価額(時価)
(A)
5,400,000
※▲10%
5,490,000
※▲10%
5,580,000
※▲10%
目標積立額
(B)
6,100,0006,200,0006,300,000
当月積立額
(B)-(A)
700,000710,000720,000

毎月の目標積立額に調整するために、何と3カ月で213万円もの投資が必要になります。これだけの投資資金が準備できるのであれば継続できますが、普通は用意できませんよね。その場合は、この時点で中止せざるを得なくなります。3カ月で30%程度の下落であれば何年かに一度は十分に起こりえますし、またこのような下落局面が運用の後半にくるほど(積みあがった資産が増えれば増えるほど)、追加で発生する積立金が莫大になるということになります。

デメリット②は、メリットの③の逆説的なことになりますが、とにかく運用に手間がかかることです。ドルコスト平均法は、毎月決まった金額で購入するだけなのでとても楽です。毎月決まった金額を証券口座に振り込んだり、指定銘柄を定額購入したりといったことを自動で行える証券会社のサービスもありますので、ほぼ機械的・自動的に積立投資が行えます。バリュー平均法では、毎月運用実績を自分で確認して、足りない分をその月の投資額として手動で購入することになりますので面倒ですよね。もちろんつみたてNISAも使えません。今後、バリュー投資法に対応した証券会社の便利なサービスが出てくることに期待したいところです。

デメリット③は、相場が上昇しているのに利益確定的に一部売らなければならないということに抵抗を感じるかもしれないことです(もちろん売却益には税金もかかります)。また逆に、下落時にさらに下がるかもしれないと思いながら大量の資金を追加投入しなければいけないという時にも、心理的なプレッシャーを感じる人も多いのではと思います。そういった感情を抑えて淡々とルールに従って運用するというのは、なかなか難しいことですよね。

ドルコスト平均法とバリュー平均法のハイブリッド採用案

バリュー平均法のメリットとデメリットを見てきました。もちろん100%完ぺきな手法ではありません(それはドルコスト平均法も同じです)。しかし、全く同じルールで運用する必要もありません。例えば、「目標積立額を5%以上超えた分を売却する」というルールで運用する人もいますし、「追加投資の上限を20万円/月までとする」という人もいます。

運用ルールを自分なりに使いやすいかたちにカスタマイズしていくことがポイントです。

ぼくの場合、バリュー平均法の本質的なコンセプトである、「100%目標金額に達する」という点が一番大事なこととなります。とは言っても、毎月運用実績に合わせて投資額を調整するのは負担が多すぎると感じます。バリュー平均法だけで運用することには無理を感じます。

そこで、毎月の投資は基本的に定額として、半年に一度、運用実績をチェック。状況に応じて次のように調整することにしました。

リモ太郎流 バリュー投資活用方針
  • 毎月の投資は、自動定額積立を基本にする(ドルコスト平均法)
  • 半年ごとに運用状況をチェック。時価評価額と目標積立額に応じて次のように対応

   A. 時価評価額が目標積立額を上回っている場合 ⇒ 何もしない(売却しない)
   B. 時価評価額が目標積立額を下回っている場合 ⇒ 目標に足りない分を追加投資
                            (バリュー平均法)

つまり、ドルコスト平均法で毎月一定額を積み立て、半年に一度だけバリュー平均法のエッセンスを一部取り入れるというハイブリッド運用です。仮に大暴落が起こったら追加投資ができないことも十分考えられますが、資金が許す限りこの運用方法で進めることを考えています。

やはり積立期間がそれほど長くとれないので、ドルコスト平均法で運用してあとはほったらかしにする運用のみでは、リスクが大きすぎると思います。少なくともぼく自身はバリュー平均法の信者ではないのですが💦、定期的に運用実績をモニターして投資金額を調整するという基本コンセプトには大いに共感しています。そのコンセプトは無理のない範囲で取り入れていきたいと考えています。

以上です。投資を始めて間もないため試行錯誤で進めている段階です。ご意見やアドバイだけスなどございましたら、ぜひいただけますと励みになります。よろしくお願いします!

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